『第10回 在日コリアンラグビーフェスティバル』が開催

夏の残暑の残る8月31日(土)、東京小平市にある朝鮮大学校にて『第10回在日コリアンラグビーフェスティバル』が開催された。

 同フェスフェスティバルは、2010年に東京で行われた第1回からはじまり(同回のみ試合は無し)以降、大阪、福岡、愛知、京都、神戸、神奈川などを回りながら全国で開催されるもので、今回は東京での5年ぶり3回目の開催である。

 当日は朝8時30分のキックオフで始まる中学生の試合から、高校、社会人の試合、そして最後の朝鮮大学対明治学院大学の試合までの様々な熱戦が行われた。その間、お昼にはサントリーサンごリアス、東芝ブレイブルーパス、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスなどのトップリーグの現役トップリーガーらによるラグビークリニックの他、タッチラグビー全日本代表選手チームを含めた複数チームによるタッチラグビー大会も開催。グランドには歓声とともに多くの笑い声も響いた。

 この日会場を訪れたトップリーガーの中には、東芝ブレイブルーパスに所属する東京朝高ラグビーOBの李聖彰(FL/28才)、大阪朝高ラグビー部OBの金寛泰(PR/27才)のほか、東京朝高ラグビーOBで現在NTTコミュニケーションズ・シャイニングアークスで活躍する金嶺志(LO/25才)らも参加。

 金嶺志選手は「このフェスティバルは以前からOBとしてもとても気になる大会でしたが、今回初めて会社とに話をして、シャイニングアークスのメンバーとして正式に参加することができました。僕たちの参加が少しでも母校はじめ、朝鮮高校の成長に役にたてればと思っています」と言い、他に同チームのキャプテン金正奎選手など合わせて6人で来訪。クリニックやタッチラグビー大会などに参加しながら、会場を大いに盛り上げた。

 他にもサントリーサンゴリアスからは日本代表の経験も持つ長友泰憲氏ら現役、チームOB含め総勢10名が参加。

 長友泰憲氏は「こうやって小さな子供から中学、高校、大学、社会人までいろんなカテゴリーの試合を一日中楽しむというイベントは珍しいですよね。それに試合後の焼肉も魅力。これは私たちのまわりにはないひとつの文化でしょう。素晴らしいイベントだと思います」とコメント。

 長友氏が言うように、この日の全6試合を終えたあとは、恒例でもあり朝鮮大学の名物ともいえる七輪を囲んで焼肉を食べながらの盛大なパーティーを開催。通常ラグビーの試合の後は、戦いを終えた敵、味方がまさにノーサイドの精神のもと、飲食をともにするアフターマッチファンクションが行われるが、七輪を囲んだアフターマッチファンクションは、まさに在日ラグビー界の独特な文化だとも言えるだろう。

 ちなみに、この日は生ビールの出張販売も行われたが、そこで注文に応じてテキパキとビールを注いでいた大柄な男性は、なんと元サントリーサンゴリアスのプロップ・尾崎章氏であった。

 朝鮮高校、朝鮮大学のOBたちが集う中、このように多くの日本人のラグビー関係者も参加したフェスティバルとなったが、この日の観客席の中には日頃から在日の各チームに様々な支援を行なっている在日ラグビー界にとっての恩人とも言える辰野永氏、別名“たつのアボジ”の姿もあった。

「私は、亡くなった朝鮮大学ラグビー部の初代監督の全源治先生との交流をきっかけに朝鮮大学や朝鮮高校を見ていますが、このようなすばらしい大会の開催は天国の全先生が一番喜んでいらっしゃるんじゃないでしょうか。こういったイベントを開催できる人材を、ラグビーを通して育てたという意味でも本当に素晴らしい方でしたね」

 今回の第10回フェスティバルの実行委員長の申ハンソル氏は言う。

「僕にとっては在日のラグビーはとても大事。でも、在日のラグビーも回りの日本の方々がいてこそです。やはり、他の多くの方々と交流のできるラグビーそのものが素晴らしく、僕はそんなラグビーが大好きなんです。そういうグランドだけではないラグビーを大切にしたい。だからこそ我々30代、40代の実行委員も裏方に徹して準備をできましたし、東京朝高ラグビー部父母OB会のオモニたちのたくさんの協力もあって無事開催できました。今後も、こういった伝統を次の世代にも繋げていきたいと思います」

 来年の第11回大会は大阪での開催予定。異なる文化どうしが繋がり、さらなる新しい文化をつくるのがラグビーのひとつの大きな魅力とも言える。さらなる新たなラグビー文化の1ページは大阪で記されるはずだ。

 

■試合結果

東大阪朝鮮中級Bvsブレイブルーパス府中ジュニアラグビークラブ【14対14】

東大阪朝鮮中級vsブレイブルーパス府中ジュニアラグビークラブ【0対19】

東京朝鮮中級・愛知朝鮮中級vsブレイブルーパス府中ジュニアラグビークラブ【0対21】

愛知朝鮮・東京朝鮮B連合vs早稲田実業B【7-24】

愛知朝鮮・大阪朝鮮B連合vs早稲田実業B【5-7】

東京朝vs早実【5-5】

大阪朝vs早実【12-0】

オールアウトvsレジェンド【24-21】

千里馬×高麗【14-48】

朝鮮大学校vs明治学院大学【70-5】

 

※なお、翌9月1日(日)には

中央大会が開かれた。結果は以下の通り。

 

【在日朝鮮学生中央体育大会】

東京朝中vs東大阪朝中【0-80】

東京朝高Bvs大阪・愛知合同B【5-43】

東京朝高vs大阪朝高【12-57】

 

(李淳馹)

 

広告

pic

pic

pic
ページ上部へ戻る